このブログは、私の愛娘(長女:9歳、次女:6歳)についての他愛のない日常を不定期に綴る、仕事や技術的な話とは全く無縁の完全に自己満足な日記です。知り合いから子供の成長とか運動会とかのビデオ動画を延々と見せられてイラっとした記憶があるといった方は、閲覧をご遠慮されることをオススメします。

 

先日、ウチの娘(長女:たまに難解な漢字を普通に読んで周りがビックリ)が

「みやざわけんじって、どんな人?」

と言いました。

 

娘(次女)とのお風呂上りであった私は、パンツを履きながら「日本文学に興味があるのだな。ならば一言で全てを説明し、父親の威厳を見せつけよう!」と意気込みつつ、答えました。

 

「雨にも風にも負けない人で、注文が多かったり、銀河鉄道に乗ったり、クラムボンがカプカプ笑ったりする、すごい人だよ」

 

すると、洗い物をしていた嫁が

「・・・まじめに答えてあげようね?ね?」

と、無表情のまま不思議な構えを取り始めた(ように見えた)ので、殺気を感じた私はとっさに「とっても有名な昔の作家さんです!ハイ!」と訂正しました。

私のモットーは「退く!媚びる!省みる!!」です。

 

 

 

”無表情のまま不思議な構えを取る人”
※画像はイメージです

 

 

 

「へー、そうなんだー。ありがとー」

娘(長女)はその回答で満足したらしく、大好きなテレビの前に戻っていきました。

ちなみに娘(次女)は、「ぎゃはははははー!」と素っ裸のびしょ濡れでソファにダイブし、激怒した嫁に「ほあたっ!」と尻をひっぱたかれていました。

それでも笑っている娘(次女)の生き様は「砕けぬ!折れぬ!朽ちぬ!!!」です。

 

 

 

”砕けず、折れず、朽ちない人”
※画像はイメージです

 

 

 

~数日後~

「先生から、どくしょかんそーぶんを、かきなおせって言われたー」

 

仕事から帰ってきた私は、娘(長女)のその言葉に耳を疑いました。

「…なんだって?あんなに苦労したってのに…」

実は先日の学校の宿題として、読書感想文を書く娘(長女)を手伝ったのですが、手伝うのに非常に苦労しました。

なんせ感想文という性質上、答えと言う答えはない上、下手に説明や意見を言おうものなら、もはや娘(長女)の感想文ではなく、私の感想文となってしまうからです。

しかも、題材にしたのは銀河鉄道の夜」。
よりにもよって、先日聞かれたあの難解複雑な不思議童話作家の、宮沢賢治著書です。
※あくまで個人的な見解です

宮沢賢治氏ならではの独特な表現や言い回しが多々あるため、読書好きな娘(長女)も内容を理解するのに苦労していました(ぶっちゃけ私もあまり理解できず、若干苦手です)。

とにかく「起承転結」の何たるかを丁寧に説明し、嫁の作った「焼肉定食」を食べながら、ちょっかいを出してくる娘(次女)を「無想転生」でスルーしつつ、あくまで娘(長女)の感想となるよう「一生懸命」手伝った感想文。

 

それを…書き直せだと…!?

 

「お前の先生のは、なに色だーーっ!!」
「ああ、書き直すっていうか、学年の代表に選ばれたとかで、出来ればもう少し長めに書けないか、ってことみたいよ」
「え?ああ、そういうことね…って、学年の代表?凄いじゃん!」

怒りを闘気に変え、服を破ろうとしていた私は、嫁の言葉で我に返りました。

 

 

 

”怒りを闘気に変え、服を破る人”
※画像はイメージです

 

 

 

「苦労したもんなぁ、ホントに」
「大変だろうけど、明日は休みだし、また見てあげて」
「仕方ない、もう一度見直すか」

どこぞの世紀末伝承者の方も「たとえ99%勝ち目がなくても、1%あれば戦うのが宿命」と言っていただけに、何とかやる気を捻り出す私でありました。

 

 

~翌日~

「そろそろ始めようか」

 

15時のおやつの少し前、テーブルに読書感想文を並べ、娘(長女)と並んで座ります。
案の定「さっちゃんもー!」と娘(次女)が間に割り込みますが、邪魔する娘(次女)は 指先 お菓子ひとつでダウンです。
(ちなみに次女は自分のことを「さっちゃん」と呼びます。ユアッシャー!

「さて、本の内容は覚えてる?」
「えーっと、だいたいおぼえてるけど、ちょっとわすれちゃったかも」
「それじゃあ、まずは一緒に軽く読み直してみようか」
「うん。あ、でもね、本がないんだよー
「なにぃ!?」

読書感想文を書き直すのに、どうやら肝心のその本を借り忘れたとのこと。

「どんなウッカリ屋さんだ!愛で空が落ちてくるくらいの衝撃を受けたぞ!YOUはSHOCKだ!」
「ちょっと、何言ってるか分かんないんだけど」
パパにも分からん!ただ、微笑み忘れた顔など見たくはないということでだな…まあいい、とにかくどうすんだ!?」

嫁の冷めたツッコミに若干うろたえつつ、話を元に戻します。
とにかく無いものは無いので、最初に書いた感想文を読み返し、記憶を頼りに感想を補強していくような方向で進めることにしました。

 

ちなみに題材の銀河鉄道の夜ですが、Wikipediaでは次のように紹介されています。
※以下、ネタバレを含みます

 

『孤独な少年ジョバンニが、友人カムパネルラと銀河鉄道の旅をする物語で、宮沢賢治童話の代表作のひとつとされている。作者逝去のため未定稿のまま遺されたこと、多くの造語が使われていることなどもあって、研究家の間でも様々な解釈が行われている』
※参考Wikipedia

 

要するに、未完成で、造語だらけで、研究家も大変、ということです。
※あくまで個人的な解釈です

要約するのが難しいのですが、娘(長女)を含めた我が家の解釈は次の通りとなりました。

 

・銀河鉄道の乗客のほとんどは、それぞれが何らかの理由ですでに亡くなっている
・銀河鉄道はそういった乗客(死者)たちを、あの世(天国)へ運ぶための乗り物
・銀河鉄道の乗客の一人である主人公のジョバンニは、理由は不明だが唯一生還できた
  (長女曰く、ジョバンニが生還できたのは持っていた切符のおかげ、とのこと)
・銀河鉄道の乗客の一人である主人公の親友のカムパネルラは、現実では溺死していた
・銀河鉄道での出来事は、おそらくジョバンニの臨死体験
あの有名なタイタニック号の乗組員っぽい乗客がいる
・コレ、本当に小学生の推薦図書なの?

 

さて、前回書いた感想文を読み直そうとすると、娘(長女)が思い出したように言いました。

「そういえば、先生がなにかかいてくれてたよー」
「添削してくれたのか。本もないことだし、ぜひ参考にしよう

そこには赤字で、いくつかのコメントが書いてありました。

 

 

 

「代表としてもう少し、感想文のボリュームを増やしていただけると、ありがたいです」

 

 

 

「ああ、これはパパやママに宛てたコメントだね」
「ふーん。なんまいかけばいいのかなー?」
「とりあえず、2ページくらい増やすように頑張ってみよう。本がないけど
「うん。がんばるよ。本がないけど

 

 

 

「大変とは存じますが、ご家族の方も協力してあげてください」

 

 

 

「もちろん、協力するよ。だって、代表だもんな!本がないけど
「うん!がんばる!本がないけど

 

 

 

「本の登場人物たちが経験した出来事を、同じように体験させてあげてください」

 

 

 

そうだ、体験させるのが何より大切…いや、ダメだろコレ
「たいけんしたほうがいいの?カムパネルラとか?
カムパネルラはもう死んでいる!体験してはいけない!」
「じゃあ、ジョバンニ?」
「彼はギリギリ死んではいないが、臨死体験ダメ!ゼッタイ!

 

 

 

”カムパネルラはもう死んでいる”
※画像はイメージです

 

 

 

冗談抜きで本当に驚きました。

 

「登場人物の気持ちになって」なら理解できますが、さすがに川で溺死とか臨死体験とか、同じ体験を我が子にさせるわけにはいきません。

「きっと、先生もそういうつもりじゃなかったと思うけど、どれも体験させたくないわー」
「仕方ない、登場人物の気持ちになって、と読み替えよう」

どうやら嫁も私と同じ意見のようでした。そりゃそうですが。

 

結局、感想文自体は娘(長女)の記憶力を頼りに、より詳しい自分の感想を加えることで、悪戦苦闘しながらも無事に2ページ程追加することができました。

全員グッタリしながら(次女は昼寝していました)散乱した作文用紙やら、鉛筆やらを片付けていると

「あ、ここにも先生のコメントあったよー」

と、娘(長女)が前回の感想文の用紙の裏に、担任の先生のコメントを発見。
若干、嫌な予感がしつつも読んでみると、それはこんな内容でした。

 

 

 

「身近なご家族やお知り合いの方に、登場人物たちと同じような体験をした方がいないか、一緒に探してあげてください」

 

 

 

「だれかいるかなー?ばあばにきいてみてもいい?
「…いないだろうな。そして、ばあばには聞くな
「むしろ、いて欲しくないわね…一応、お互いの知り合いに聞いてみる?
「いや、やめておこう」
(ちなみにここでの「ばあば」は私の母を指します。ユアッシャー!

 

『登場人物たちと同じような体験をすること』に、最後まで徹底してこだわる担任の先生に一抹の不安を感じつつ、今後の読書感想文は「もっと分かりやすくて楽しい本」を絶対に勧めようと誓った、私と嫁でありました。
(ちなみに担任の先生はとても良い先生です。ユアッシャー!

 

 

 

”読書感想文はまさしく強敵(とも)だった”
※画像はイメージです